男子テニスの錦織圭(21=ソニー)が、12年1月の全豪で、68年オープン化(プロ解禁)以降、4大大会で日本男子初のシード選手になる可能性がでてきた。17日、最新世界ランクが発表され、錦織は前週の47位から30位に急上昇。92年7月6日に記録した松岡修造と、今年5月に錦織が並んだ日本男子最高位46位を大幅に更新した。

 19年3カ月と5日ぶりの最高位更新で、今年の目標にしていたトップ30入りもクリア。錦織は「1つの目標を達成できた。日本一は誇り」。抜かれた松岡氏は「(抜かれたことは)個人的にはうれしい。ただ、圭の夢は世界一になること。ここからがスタート」とエールを送った。

 30位は、4大大会でシードがつく世界ランクだ。全豪のシードは、大会前週に、その週の世界ランクを基に発表される。シードは32番まであるため、30位なら当確。シードがつけば、初戦からナダルやフェデラーら上位選手との対戦はなくなり、勝ち上がりやすい。

 日本男子は、戦前にウィンブルドンなどで4強に進んだ佐藤次郎(故人)らにシードがついた。しかし、それ以降は、68年全豪で神和住純が特別枠の外国人シードとして8番になったのが最後。現行シード制になってからは、誰もシードされたことはない。

 09年に右ひじを手術。約1年、実戦から遠のき10年3月には世界ランクが消滅した。そこから、わずか1年半で、世界ランカーを約2000人ごぼう抜きにして、奇跡の最高位を達成した。錦織は今週は、右足首捻挫のため欠場。欧州でのツアーで復帰予定だ。