<ハンドボール:ロンドン五輪女子アジア予選>◇最終日◇21日◇中国・常州

 36年ぶりの五輪はお預け-。ハンドボール女子日本代表は、全勝同士で迎えた韓国との最終戦に22-27で敗れて2位に終わった。勝てば五輪が決まる最終戦、GK田代ひろみ(29=北国銀行)の堅守から、東浜(ありはま)裕子(27=オムロン)らの速攻で得点を重ね、前半を11-10でリードしたが、五輪で2度の金メダルに輝いた強豪の地力に屈し、逆転負けした。日本は来年5月の世界最終予選で、9大会ぶりの出場権を狙う。

 36年間、破れなかった韓国の壁に、日本はまたもはね返された。5点差の完敗。黄慶泳監督は「これが日本の現実。力の差を認めないといけない」と肩を落とした。

 滑り出しは快調だった。高さで勝る韓国のシュートを、GK田代が体を張ってブロック。速攻から上町、東浜が得点を重ねた。ところが、後半は単調になった攻撃が止められ、逆に速攻から連続失点。東浜はチームトップの8得点も「ここまできたチャンスをつかみたいという一心でやってきた。最後は心の弱さが出たかな」と目を潤ませた。

 今度こその手応えで臨んだ一戦だった。08年に韓国人の黄監督が就任。韓国が長年、軸としてきたフィジカル強化で、運動量とスピードを生かした戦術が浸透。昨年のアジア大会では韓国を破った。今年は欧州への長期遠征を2度も行った。ハンドボールが7人で行う競技ということで、選手たちで意見を出し合い、チーム名を「レインボー(虹)ジャパン」と命名。最高潮のムードで迎えた大一番だっただけに、完敗のショックは大きい。

 五輪への道は閉ざされたわけではない。アジア2位に入り、来年の世界最終予選への出場権は確保した。だが、欧州などの世界の強豪が相手となり、より厳しい戦いになる。藤井主将は「最後まであきらめないという姿勢で、いい報告できるように頑張りたい」と前を向いた。