<関東大学ラグビー対抗戦:帝京大17-8明大>◇20日◇東京・秩父宮ラグビー場

 帝京大が明大を破り、「完全優勝」に王手をかけた。前半8分に先制PGを許すも、同15分にFWの密集戦から逆転トライ(ゴール成功)でペースをつかみ、勝ちきった。互いに強力FWを擁する全勝対決を、ボール争奪戦での激しさ、試合運びのうまさで制した。同一年の対抗戦で伝統校の早大、慶大、明大にすべて勝ったのはチーム史上初めて。12月3日の最終戦で筑波大を退けて、3連覇のかかる大学選手権(12月18日開幕)につなげる構えだ。

 帝京大が「強力FW対決」を制した。前半15分、ゴール前15メートルでのラインアウトからモールで押しこみ、最後はフッカー白がトライ。スクラムでは前半だけで相手の反則を3回誘った。前半を10-3で終え、「ブレークダウン(ボール争奪戦)、接点の戦いでは優位に立っていたので、点差が開かなくても悲観してなかった」とSO森田主将。後半2分には相手ラインアウトからボールを奪い、再びモールからSH滑川がインゴールに飛び込み、試合の流れを決定付けた。

 今季は「早慶明」に全勝だ。過去同様の例は69年の日体大だけ。快挙に岩出監督は「重みのあること。伝統校の時間には追いつくことができない」と3校の大きさを認めつつ、「勝ってかぶとの緒を締めよ」と喜びは抑え込んだ。「対抗戦は定期戦の積み重ねで内容重視、大学選手権は勝負」が同監督の持論。選手も大学選手権3連覇に向けて、「まだ成長の通過点」(森田)という。

 最終戦には、やはりチーム初の全勝優勝がかかる。一昨年は敗戦、昨年は12-10とてこずった上、今季はまだ1敗と好調な筑波大が相手。「勝ってその勢いで選手権に入りたい」(岩出監督)が、シナリオだ。【岡田美奈】