<アマチュアボクシング:全日本選手権>◇20日◇岐阜産業会館

 ロンドン五輪金メダル候補となる、今年のアマチュアボクシング世界選手権(アゼルバイジャン)ミドル級銀メダルの村田諒太(25=東洋大職)が今年最終戦で圧倒的な強さをみせた。全日本選手権決勝は20日、岐阜産業会館で行われ、村田が同級で3年連続5度目の優勝を飾った。先月の世界選手権以来、約1カ月ぶりの実戦だったが、決勝で対戦した岡田良綱(21=日大)のあごに強烈な右フックを浴びせて2度のダウンを奪取。1回1分32秒、RSC勝ちで3連覇を決め、大会MVPにも選ばれた。

 豪快に打ち抜いた。ボディーで岡田のガードを下げさせ、がら空きのあごに強烈な右フック。簡単に2度のダウンを奪い、ワンサイドでレフェリーが止めた。村田は「倒そうと決めて打った。プレッシャーはありましたが力まなかった。優勝は最低ラインでした」と笑みがこぼれた。日本史上最高の世界選手権銀メダルを獲得し、ロンドン五輪の出場権も獲得していたが「最初から全日本に出るつもりでした。モチベーションを上げて自分を追い詰めたかったので」と欠場は考えていなかった。この日はテレビ局4社が取材に訪れるなど、次第に注目も集まっている。

 10月末に発表された国際ボクシング協会のミドル級ランキングでは堂々の2位。世界の強豪からマークされる存在となった村田だが「五輪まで手の内を明かさないようにしっかり調整していきますよ」と自信に満ちた表情を浮かべていた。【藤中栄二】