<ラグビー大学選手権:慶大39-24流通経大>◇1回戦◇18日◇東京・秩父宮ラグビー場

 対抗戦5位の慶大がルーツ校の意地で、リーグ戦覇者の流通経大を破った。大会前に伝統の「魂のタックル」に原点回帰。185センチ、120キロのNO8イシレリら、強力FWを擁する相手に持ち味を出させなかった。さらに緻密(ちみつ)な分析と速いパス回しで、たたみかけた。

 慶大は伝統の底力で勝ちきった。序盤こそFW戦で押しこまれたが、1人では倒せない相手に次々とタックルに入り、勝機を引き寄せた。対抗戦終了翌日、選手間から「『魂のタックル』に戻ろう」という声が出た。その後、「高校生みたいに、ダミーに突き刺さる練習を重ねて」(NO8栗原)この日を迎えた。相手の突破口を封じ、中盤からは速いパス回しで消耗と反則を誘い、トライとPGを奪っていった。

 今季の対抗戦とリーグ戦の差もにじみ出た。慶大は後半3分にフランカー石橋がチャージからトライ、同26分には栗原が相手の動きを読み切ったパスカットからトライを決めた。「ああいうトライは対抗戦ではなかなかできない」とCTB仲宗根主将。スキを見逃さない試合運びは、「早慶明」に加え、帝京大、筑波大も台頭する中でもまれた成果だ。次の相手は関西1位の天理大。「低く鋭いタックルで」(田中監督)。戦い方は決まっている。【岡田美奈】