<卓球:全日本選手権>◇3日目◇19日◇東京体育館

 女子シングルスで小学6年生の加藤美優(12=TKOク)が福原を超えた。4回戦から登場するスーパーシードで大学3年の伊積ひかり(21)に4-1で快勝。一般4勝目を挙げて、福原愛らが記録した1大会の小学生最多勝利を上回った。今日20日の5回戦で、初戦の4回戦を突破したロンドン五輪代表の石川佳純(18)と対戦する。

 満面の笑みだった。小6の少女が、大学3年生を圧倒した。スーパーシードを破り、福原もなし得なかった1大会4勝を記録。加藤は「(次の)石川さんとやりたかったので勝ててよかった。記録は知らなかった」と驚き、喜んだ。

 3歳のとき、温泉旅行で父功二さん(45)が抱き上げて打たせてくれたのが始まり。東京・吉祥寺の祖父母のガレージに卓球台を持ち込み、6歳から父と打ち合った。当時から見るテレビは卓球ばかり。バレエやピアノ、水泳、英会話と始めたが、卓球だけが続いた。

 同じ小学生ながら話題は1学年下の平野と伊藤にさらわれていた。「自分だけが負けるのはすごい悔しい」。負けん気が快進撃を支えた。大のAKB48好きで、21日はコンサートに行く。ただ、8強に進むとその日は試合。「大丈夫。それはないです」。無邪気に笑った。【今村健人】

 ◆加藤美優(かとう・みゆ)1999年(平11)4月14日、東京都武蔵野市生まれ。6歳の時、卓球選手だった父功二さんの影響で本格的に卓球を始める。10、11年全日本ホープス(12歳以下)2連覇。来年度は日本オリンピック委員会開校のエリートアカデミーに進学。家族は両親。157センチ、45キロ。