<ラグビー:トップチャレンジ1>◇第3節◇11日◇東京・秩父宮ラグビー場◇2試合

 九州電力が68-17でキヤノンに勝ち、3シーズンぶりのトップリーグ復帰を決めた。自動昇格には(1)勝ち点5獲得(4トライ以上での勝利)(2)39点差以上の勝利が同時に必要という厳しい条件の中、計10トライを奪って大勝。勝ち点9で並んだクボタを総得失点差で上回った。会社が原発問題に揺れたつらいシーズンを、最高の形で締めくくった。キヤノンは既に1位で初昇格を決めている。

 九州電力の平田監督は試合後、「感無量です」と声を上ずらせた。会社で原発を巡る「やらせメール問題」などがあり、「『自粛』という言葉がいつも後ろにあった」と振り返る。節電のため照明の使用も制限され、「照明の管理も監督の仕事」と照れ笑い。同時に「ラグビーだけでも明るい話題を」(フランカー吉上)と、例年以上に昇格への思いがあった。それがボールへの執念となり、SO斉藤が「試合前は正直難しいと思った」という39点差以上の勝利につながった。「今夜も飲み会はなし」と、祝勝会自粛を明かした吉上の表情は達成感で満ちていた。