<テニス:男子国別対抗戦デ杯世界グループ1回戦:日本2-3クロアチア>◇最終日◇12日◇兵庫・ブルボンビーンズドーム

 日本が05年優勝の強豪クロアチアに敗れた。第1試合で、世界20位のエース錦織圭(22=フリー)が同55位のイワン・ドディグ(27)に7-5、7-6、6-3でストレート勝ち。2勝2敗のタイに持ち込んだが、最終試合で同90位の添田豪(27=空旅ドットコム)が同43位のイボ・カロビッチ(32)に6-7、1-6、4-6で敗れ、通算2勝3敗で世界グループ初勝利はならなかった。日本は9月に世界グループ残留をかけプレーオフを戦う。

 エースの意地だった。絶対に負けられない一戦。錦織は、気迫と得意のストロークで日本の望みをつないだ。「1戦目が悔しすぎた。この試合にかける思いは強かった」。最後は時速189キロのサービスエース。雄たけびとともに、両手のこぶしを思い切り握り締めた。

 錦織の肩に乗ったプレッシャーは計り知れない。滑り出しは「硬くなってしまった」。第1セット3-5でセットポイントを奪われたが、そこから目覚めた。得意のストロークで振り回し、一気に逆転すると、そのままストレートで決着をつけた。

 続く最終試合で添田が敗れ、日本は2勝3敗で敗れた。当初の予定だった錦織で2勝、残り3試合で1勝という計算は、錦織の初日の敗退で崩れた。しかし、それを最も痛感しているのは錦織自身だ。「精神的に(悔しくて)死んでいた」。その敗戦が、また錦織を大きく成長させる。

 日本は9月の入れ替え戦で、地域ゾーンの勝ち上がり国と戦う。竹内代表監督は「若い彼らの未来は明るい」。平均年齢約24歳と若い日本のデ杯は、スタートしたばかりだ。【吉松忠弘】