競泳男子平泳ぎでロンドン五輪を狙う「北島2世」山口観弘(あきひろ、17=鹿児島・志布志DC)が14日、米アリゾナ州フラッグスタッフでの高地合宿のため、成田空港から出発した。寺川ら「チーム平井」のメンバーと約1カ月の日程。平井伯昌コーチが「北島と最初に高地トレをやった時を思い出してハードな練習をやりたい」と言えば、人生初の海外合宿に山口は「メンバーがメンバーなんで。自分を高めたい」。表情をきりりと引き締めた。

 1月に東京都選手権200メートル予選にオープン参加し、2分10秒82の日本高校記録を樹立。「一番体が動かない冬の朝に記録が出た。自信になった」。ただ4月の日本選手権で北島、立石らと勝負するには、あと2秒縮める必要がある。平井コーチは「1秒は短縮できる。さらにもう1秒どうやって短縮するか、それが高地合宿の目的」と話した。

 国立スポーツ科学センターのサポートで、泳法を映像分析した。慌てて水をかいていた部分を修正し、しっかりかいて、しっかり伸びることを意識。そのかいあって200メートルのラスト50メートルのストローク数は、昨秋の21回から19回まで減少。「後半しっかりかけるようになり、タイムも上がった」と言う。あとは苦手とするスタート、ターンの技術をどこまで磨けるか。残された時間は短いが「すべてに磨きをかけてきます」。貪欲な姿勢もしょい込み、旅立った。【佐藤隆志】