<ラグビートップリーグ・プレーオフ決勝:サントリー47-28パナソニック>◇26日◇東京・秩父宮ラグビー場

 サントリー(リーグ戦1位)がパナソニック(同3位)に快勝し、4シーズンぶり2度目の優勝を果たした。前半21分にいったんはリードを譲るも、多彩な攻撃で前半のうちに逆転し、後半はMVPとなったフランカーのジョージ・スミス(31)の2トライなどで圧倒した。昨季の日本選手権に続くタイトル獲得で、エディー・ジョーンズ監督(52)政権での進化を見せつけた。4月から日本代表監督となるジョーンズ監督のためにも、次の目標は日本選手権連覇となる。

 ジョーンズ監督が開口一番「スバラシイ」と、日本語で自画自賛する勝利だった。13-13で迎えた前半36分、サントリーはラインアウトからモールを押し込んでスミスがトライ。後半20分にも同様のトライを決め、「モールで2トライは珍しい」と、いたずらっぽく笑う。キックを封印して速さと継続に徹した昨季より、FW戦など攻め手が増えた今季の成長を「柔軟性」と表現した。

 選手層の厚みが強みだ。オーストラリア代表110キャップのスミス、南アフリカ代表62キャップのSHデュプレアが新加入。質の高いプレーと同時に「グラウンド外でも、他の選手に教えている」(同監督)。大物外国人選手が居残りで日本人選手に個別指導するのも日常的で、底上げにつながった。ジョーンズ監督自身は午前6時からの選手の自主トレに毎日のように加わり、控え選手の練習に最後まで付き合う。

 今回、ロック篠塚とCTB平の負傷が回復せず、当日にメンバー変更。日本代表キャップ32の平に代わる岸和田は初先発だったが、「いつも準備をしていたので、不安はなかった」。篠塚に代わった田原も確実なプレーで、指揮官から「責任を果たした」と及第点を得た。NO8竹本主将は「誰が出ても同じラグビーができることが証明できた」と、誇らしげだ。

 竹本はこうも言う。「でもシーズンは終わりじゃない。日本選手権も勝って、2冠でエディーさんを送り出したい」。日本代表の進むべき道が正しいことを証明するためにも、「エディー・サントリー」は勝ち続けるつもりだ。【岡田美奈】

 ◆エディー・ジョーンズ

 1960年1月30日、オーストラリア生まれ。現役時代はフッカー。クラブチーム監督を経て、01年にオーストラリア代表監督に就任し、03年W杯準優勝。09年にサントリーGMに就任、10年から監督を兼任。