日本スポーツ仲裁機構は27日、ボート男子のロンドン五輪アジア予選の軽量級ダブルスカル代表最終選考会で補欠になった武田大作(38=ダイキ)が結果を不服として日本ボート協会を相手に起こした申し立てを認め、選考結果の取り消しを命じた。方法や過程が著しく不合理だったとの判断。五輪代表選考に絡む仲裁は3例目で、選手の訴えが認められたのは初めて。5大会連続の五輪出場への道が開けた武田は、松山市で記者会見し「ほっとした。間違ったことはしていなかった。今後もスポーツは公平であることが大事なので、1つの試金石になれば」。同協会の平岡副会長は「予想もしなかった結果。判断に従うのは当然。早急に選考方法を決める」と述べた。アジア予選は4月に迫るが、再度選考レースを行うか、昨年11月の選考会の結果を再考するかで、3月中に代表を決める方針を示した。

 ◆ボート選考経過

 昨年11月の選考会は、候補6人がペアを変えて計10レースを実施。平均タイム上位2人を代表に選ぶ方式を採用し、武田はプレーオフの末に2番手に入った。しかし全レース後に、ボート協会は1レースに極端にタイムが遅い「イレギュラーな事態」があったとし、最下位だった選手と組んだレースを除いた平均タイムで選ぶ方式に変更。武田は3番手で補欠に回された。納得できない武田はその後も協会に説明を求めたが再考されず、2月2日に仲裁機構に申し立てを行った。