<アマチュアボクシング:女子アジア選手権>◇22日◇モンゴル・ウランバートル◇ミドル級

 お笑いコンビ「南海キャンディーズ」のしずちゃんこと、山崎静代(33=よしもとクリエイティブエージェンシー)は1回戦で、16歳のキム・ヘヨン(韓国)に1回にレフェリーが途中で試合を止めるRSCで敗れた。しずちゃんは既に5月の世界選手権(5月、中国・秦皇島)への出場が決まっており、そこでベスト8に入れば五輪切符を獲得する。

 33歳のしずちゃんが、現実を突きつけられた。ゴングとともに積極的に攻めるキム・ヘヨンに対し、なすすべなくパンチを受けた。相手は、身長182センチのしずちゃんより12センチ低く、年齢も半分の16歳。だが猛攻を食らい、ひざがガクッと落ちた。最初のラウンドが終わる前にレフェリーは試合を止めた。予想外の結末にぼうぜん。不完全燃焼のままリングから下りた。

 闘病中にもかかわらず日本から駆けつけた梅津トレーナーに「これが国際試合だから」と声をかけられても、小さくうなずくしかなかった。しずちゃんは「あっけなく負けてしまったので悔しい。もっと勉強して、次の世界選手権に向けて切り替えたい」。女子代表の高見監督は「相手は背が小さい。体が浮き上がったところにもらった形になった」と敗因を分析した。

 今大会は五輪予選とは関係ないが、世界選手権の前哨戦として貴重な実戦の場だった。8人参加したミドル級には、10年広州アジア大会金メダルで世界ランク2位の李金子(中国)らアジアの強豪選手が顔をそろえた。しずちゃんは昨年9月の台北市カップ以来、2度目の国際舞台。海外初勝利で5月の「五輪予選」にはずみをつけたかっただけに、無念さは隠せない。

 屈辱的な結末に、梅津トレーナーは潔く「本人は効いていないと言っても、止められたら終わり。国際試合では同じようなジャッジはたくさんいる」。一方でしずちゃんは「絶対に負けないと思っていたんですが…」と涙を抑えられなかった。ロンドンへの道のりの厳しさを痛感させられた。