【秦皇島(中国)9日=阿部健吾】目指せ、万里の長城!?

 ベスト8入りでロンドン五輪出場が決まるアマチュアボクシングの女子世界選手権(中国)は11日に開幕する。お笑いコンビ「南海キャンディーズ」のしずちゃんこと、ミドル級代表の山崎静代(33=よしもとクリエイティブ・エージェンシー)は、心身のリフレッシュも兼ねて選手団で万里の長城を訪問。歴史的建造物を前に、自らも鉄壁のガードを試合でみせる決意をあらたにした。

 万里の長城の東端。海に突き出た「老龍頭」付近の壁上を歩きながら、山崎は遠くを見つめていた。

 中国滞在3日目。午前中の練習ではみっちり汗を流したが、日本からの長距離移動、バスタブがないなど宿舎の劣悪環境も手伝い、疲れ気味なところもみられた。他の選手の様子もみて、代表選手団は午後に宿泊所付近の万里の長城訪問を計画。心と体のつかの間のリフレッシュに「初めてですね、来たのは。ずっと続いているのはすごいですねえ」と感嘆した。

 紀元前221年、中国を統一した秦の始皇帝が既存の壁を拡張して、総延長1万2700里(約6000キロ)の城壁を築いたとされる。目的は北方の異民族などの外敵からの防御。言葉の通り「鉄壁」だった。

 山崎が今大会のために重点的に磨いたのも守備だ。韓国人選手に1回戦負けした3月のアジア選手権などで課題になったのはガード。不用意に手を下げ、顎が丸見えとなりパンチをもらうことが多かった。

 この1カ月は梅津トレーナーに「顔を足より出さない。腹を抱え込むようにする」など徹底指導を受けた。前日の練習などでもコーチ陣から「見違えた。いいぞ」と声が飛ぶなど、「常に手を下げないでできている」と改善に手応えをみせる。

 「楽しみですね。体調は大丈夫です」。抽選で対戦相手が決まるのは11日、初戦は12日か13日になる。自信の守備力を発揮する挑戦の時が近づいてきた。