4年前の借りは全勝で返す。レスリング女子の国別対抗戦W杯(26、27日、東京・代々木第2体育館)に臨む日本代表が22日、都内で練習を公開。ロンドン五輪55キロ級代表の吉田沙保里(29=ALSOK)は、連勝が「119」で止まった北京五輪前の08年以来4年ぶりの出場に「すごく思い出す。1試合目は緊張すると思う。でも、仲間がいる。4年前のことは忘れて絶対優勝したい」と誓った。

 中国で行われた4年前の1月19日。1次リーグ2戦目の米国戦で、第1、2ピリオドともタックルを返されて敗れた。6年以上続けた連勝がストップ。人目もはばからず号泣した。

 再び五輪前に挑むW杯。当初は顔見せ程度で終わる構想もあった。だが、昨年世界選手権決勝で苦戦したバービーク(カナダ)ら強豪選手が出る。「ロンドン前に対戦したい」と吉田。栄監督は「全試合出す予定。決勝まですべて出して、勝って五輪に行かせたい」と自信にさせるつもりだ。

 遠距離から入っていた得意のタックルは今、近距離用に改良している。今年、五輪前最初で最後の実戦の場。吉田は「W杯で試せることが一番大きい。ロンドンのための大会になる」。主将として6年ぶりの優勝を日本に導くことが、五輪3連覇への弾みとなる。【今村健人】