浅田真央(22=中京大)が「王道」で再起を図る。日本、欧州、北米によるフィギュアスケートのチーム対抗戦、ジャパン・オープンの前日練習が5日、さいたまスーパーアリーナで行われ、今季初戦の浅田は新フリー演技を報道陣の前で披露した。曲に選んだのは「白鳥の湖」。過去にも多くの選手が滑ってきたバレエ音楽で、不振を極めた昨季からの復活を期す。

 浅田が鳥のように手を羽ばたかせた。「スワンの中でも、いろいろな曲がセレクトされています。白鳥も変わっていき、最後は黒鳥です」。舞台のバレリーナのように、一人二役を氷上で演じる。昨季は不調だったトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を、練習の最後に着氷。「今の調子はとてもいい」とスランプ脱出に自信ものぞかせる。

 04年世界選手権優勝を果たした荒川静香の通称「サイバースワン」、07-08シーズンの高橋大輔によるヒップホップ調の白鳥…。これまでも多くの「氷の上の白鳥」が生まれてきた。真央色に新たな白鳥を染め、ソチ五輪に向けたプレシーズンで羽ばたく。【阿部健吾】