【上海(中国)4日=阿部健吾】フィギュアスケートのGPシリーズ第3戦中国杯の女子シングルを制した浅田真央(22=中京大)が、前日の演技後思わぬ祝福を受けたことを明かした。「試合後の記者会見の前にばったり会って『おめでとう』って言って下さったんです」。声の主は陸上ハンマー投げの室伏広治(38)。日本人学校高等部が主催した講演会のため上海を訪問しており、“教え子”の奮闘を初観戦していた。

 在学する中京大の准教授である室伏には、トレーニング方法を伝授されたこともある。約1年前に贈られた特注の健康器具「ストレッチポール君」(室伏が命名)は、今遠征にも持ち込むなど「肩甲骨を柔らかくする」ため使用している。

 そんな“師匠”は前日、19連覇がかかる来年の日本選手権に向け、現役続行を明言したばかり。浅田も「長く現役を続けるのはすごい」と刺激を受けた様子。室伏からは「またいろいろ質問があったらメールしてね」とも言われ、14年ソチ五輪に向けても心強いホットライン継続となった。

 そのソチで行われるGPファイナル(12月6日開幕)を目指し、次戦は23日開幕のNHK杯(宮城)。「まずはファイナルに。そうしたら五輪も見えてくる」と声を弾ませた。

 エキシビションでは映画「メリー・ポピンズ」の曲に乗り、小傘を片手に、愛らしい演技を披露した。