<フィギュアスケート:グランプリシリーズ第6戦・NHK杯>◇25日◇宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ

 最重要ポイントは「和食」。女子シングルで優勝した浅田真央(22=中京大)は、エキシビションに参加した。GP連勝で出場を決めたGPファイナル(12月6日開幕)は、14年ソチ五輪会場で行われる「前哨戦」。初訪問となる貴重な機会に、五輪に向けたリンク外でのチェック点に食事を挙げた。10年バンクーバー五輪同様、現地で日本食を確保する手段を探す。

 1年3カ月後に迫るソチでの大舞台で栄冠をつかむため、浅田が「食」の下見を徹底する。同じ会場、同じ土地で行われるファイナル。事前調査で気になることに「やっぱり一番はリンクのことですけど、食事のこともそうです」。アスリートにとっては重要な食事に関心を示した。

 念頭にあったのはバンクーバー五輪だった。大会は10年2月開催だったが、同じような前哨戦として、1年前の09年2月に同地で開かれた4大陸選手権に出場した。下見の機会に優先したのは、現地で和食を確保すること。本番は選手村で各国の料理が提供されることは予期していたが、万全を期した。

 実際に五輪では、関係者が現地の日本料理店から選手村に料理を運ぶこともあった。現地の料理で済ます場合もあるが、基本は栄養面でバランスの取れた日本食を食べ、試合に備えてきた。その習慣を崩さないことが、好結果につながる。なじみの薄いソチで、和食があるかどうか。会場のチェックと併せて、下調べする。

 この日のエキシビションでは、ミュージカル映画「メリー・ポピンズ」の曲に乗り、傘を片手に愛らしい滑りをみせたが、心を占めていたのは前夜の悔しさ。フリーのジャンプがミス続きで、納得いかない優勝だった。ソチは温泉が湧くことでも有名だが、「興味はありますが、とにかく今は悔しさを晴らしたいんです!」と温泉も封印する決意。雪辱を期す前哨戦に向けて、「次は同じ失敗は繰り返さない」と口元を引き締めた。【阿部健吾】