<アメリカンフットボール・全日本大学選手権決勝甲子園ボウル:関学大20-17法大>◇16日◇甲子園

 関学大が劇的な「サヨナラ勝ち」で2連覇を果たした。6年ぶりの法大との対戦は、第4クオーター(Q)9分まで7点リードされる展開。そこから右足首痛で先発回避したQB畑卓志郎(4年=関西学院)のパスがさえて追い付き、残り2秒のFGをキッカー堀本大輔(4年=啓明学院)が決めて20-17で通算25度目の優勝を飾った。来年1月3日のライスボウル(東京ドーム)で、今日17日に決まる社会人王者(鹿島とオービックの勝者)と日本一を懸けて戦う。

 堀本の「サヨナラキック」が決まり、終了の笛が鳴った。畑が5分前の同点TDでも出さなかったガッツポーズを、左手で力強く繰り出した。「我慢比べと予想していた。自分が勝利に導くと思ってやってました」。劇的逆転Vの立役者は冷静に話した。

 14日の練習で右足首を踏まれた。15日は治療に専念したが、この日朝に決断した。「自分より、万全の斎藤がいい」。右足首はソックス越しでも腫れが分かるほど。2年生のQB斎藤に託した。

 しかし第4Qになるとキャッチボールを開始した。10-14と逆転された同4分、ついに投入された。パスは浮き、ダッシュはできない。それでも投げた。同10分にWR木戸へ同点の48ヤードTDパス。残り2分を切り、自陣15ヤード地点からテンポよくパスをつないだ。鳥内監督を「焦ってないわね。すごいやつや」とうならせた。

 それでも畑に涙はない。「社会人を倒して日本一になる。1月3日に勝つまでは満足できません」と日本一へ意気込みを見せた。