<テニス:全豪オープン>◇第7日◇20日◇オーストラリア、メルボルン・ナショナルテニスセンター

 男子シングルスで世界18位の錦織圭(23=日清食品)は2年連続のベスト8進出はならなかった。同5位のダビド・フェレール(30)に2-6、1-6、4-6の2時間10分でストレート負けを喫した。錦織は2週前に再発した左膝の炎症の検査のため、一時帰国する。3連覇を狙う第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)は第15シードのスタニスラス・ワウリンカ(スイス)に1-6、7-5、6-4、6-7、12-10で勝ち、6年連続で8強入りした。

 錦織の心が先に折れた。3回戦までとは数段階上げたレベルでプレーしたが、フェレールの鉄壁の守りの前に根負けした。過去2勝1敗と対戦成績はリードしていたが「1ポイントを取るのに本当に苦労した。今までで一番強かった」と、この日は完敗を認めた。

 最初から「攻めすぎたかも」と言うほど飛ばした。2セットで9本のブレークポイントを握った。しかし、その度にはね返され、相手のサービスゲームを破ることができず。3試合で19本のエースを奪ったサーブも、93%が返され、世界で最もミスをしないと言われる「壁」を崩せなかった。

 2週前に再発した左膝痛の影響もあった。最初から飛ばしたのも、長引くとケガに不利という意識が働いたからだ。「結果には満足いかないが、膝のことがあったので。プレー自体が悪いわけじゃない」。第3セット第9ゲームでは、バックを打つ場面で、たびたび痛みで顔をしかめた。

 この後、一時帰国し、09年に右ひじを手術した主治医の元で検査を受ける予定。2月1日から始まる男子国別対抗戦デ杯インドネシア戦には欠場を決めており、次戦の予定は同18日からの米メンフィス大会。治療と休養の時間は十分ある。

 敗れたが、第16シードをしっかり守り、最低限の16強入りは果たした。4回戦まではレベルの違いを見せつけ、「まだまだいける」と手応えも感じている。前哨戦のシドニーでベスト4。全豪16強は、トップ10入り挑戦に向け、決して悪いスタートではない。【吉松忠弘】