<ノルディックスキー世界ジュニア選手権:ジャンプ女子個人>◇24日◇チェコ・リベレツ(HS100メートル、K点90メートル)

 W杯で今季4勝を挙げ総合首位を走る高梨沙羅(16=グレースマウンテン・インターナショナル)が、女子では大会史上初の連覇を果たした。1回目にこの回最長の98・5メートルでトップに立つと、2回目はヒルサイズ(HS)を超える最長不倒の102メートル。合計268・0点で貫禄を示した。世界選手権(2月20日開幕、イタリア)の前哨戦を制し、来年2月のソチ五輪での金メダル獲得に弾みをつけた。26日には、やはり連覇を狙う団体戦に臨む。

 守るのは性に合わない。直前に飛んだイタリアのインサムが、この日初めてHS100メートルに乗せた。高梨の2回目。重圧をはね返すように小雪が舞う中、さらに上を行く102メートルまで伸ばした。トップ10選手の中で飛型点は7番目に低い52点で、テレマーク姿勢を入れてもジャッジの点数は16・5~19点とばらけた。課題は残すが、それを補って余りある飛距離が高梨の強み。「周りの選手がどんどんレベルを上げている中で自分の力を発揮できてうれしい」と笑みをこぼした。

 世界の勢力図は10代後半が優位に立つ。この日もW杯総合トップ10のうち5人が出場。総合2位のサラ・ヘンドリクソン(18=米国)は6位、同3位のコリン・マテル(17=フランス)も6位と失速した。どんな形状の台でも対応できる高梨の強さが世界選手権、その先に続く五輪の“前哨戦”で際だった。

 昨年のユース五輪、世界ジュニア、そして山形・蔵王でのW杯。V候補の期待と重圧がかかる中、世界の頂点に立ち結果を残してきた。今季はW杯総合トップを快走し、この日も快勝。「勝てばうれしさが倍増する」と話していた2日後の団体戦でも喜びに浸る。