<柔道:グランドスラム・パリ大会>◇9日◇パリ◇男女計7階級

 ニッポン柔道の意地をみせた。日本女子は48キロ級の浅見八瑠奈(24)と52キロ級の橋本優貴(23=ともにコマツ)が優勝した。大会直前に女子日本代表の園田隆二前監督らによる暴力問題が明らかになった。社会的な騒動にまで発展する中で、選手たちは柔道に集中した。決勝で浅見はフランス選手に、橋本はコソボ選手に優勢勝ちし、頂点を勝ち取った。また、男子60キロ級では、19歳のホープ高藤直寿(東海大)がオール一本勝ちで優勝した。

 48キロ級で世界選手権を2連覇し、今大会も制した浅見は質問がこの問題に及ぶと「答えられない。この試合に集中したいと思ってやった」と一瞬、言葉に詰まりながら話した。52キロ級で優勝した橋本は「特に何も考えていない。自分の試合で精いっぱい」。63キロ級3位だった阿部香菜(24=三井住友海上)は「気にしないで勝つことだけを考えてやれと(監督代行から)言われている」と話した。今大会の日本は練習取材を制限するなど神経をとがらせ、この日も暴力問題に関する質問を関係者が遮ろうとする場面があった。