柔道の暴力問題で、告発した選手たちを支援した山口香氏(48)が2月28日、日本代表の女性監督就任を「時期尚早」とした。山口氏は都庁で行われた五輪招致委員会と大学との連携協定締結式に筑波大の代表として出席。次期女子日本代表監督について「女性の顔が思い浮かばない」と、現時点での女性監督誕生は難しいとの見解を示した。

 「将来的には女性の監督が出てこないと」と言いながらも「これまで柔道界として、女性の指導者を育ててきていない」と、現状を分析。英国留学から帰国する塚田真希コーチ(31)やフランスに留学する谷本歩実コーチ(31)らの名を挙げ「これからは優秀な指導者が出てくる。(20年)東京五輪は女性監督になるかもしれない」と話した。

 この日も山口氏が訴えたのは、柔道界の意識改革。「選手たちが駆け込める第三者機関も必要だけど、直接指導者に訴えられる関係作りが大事。本来コーチは選手に寄り添うものだが、柔道界には先生と生徒という上下関係が根強い」と持論を展開した。「強いものがすべて。男は女よりも強い。こういう考えがおかしいということを、まず認識しないと」と、柔道界の改革に向けて話していた。

 [2013年3月1日9時15分

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