<卓球:世界選手権>◇第7日◇19日◇パリ◇男子シングルス準々決勝ほか

 男子シングルス準々決勝で松平健太(22=早大)が、世界ランキング1位の許■(中国)と大熱戦の末、2-4で敗れた。第1ゲームは落としたが、第2ゲームは6連続得点などで11-9、第3ゲームも11-6で連取。その後は実力の差を見せつけられたが、自身初の8強入り。1979年平壌大会の小野誠治(金メダル)以来となる男子シングルスでのメダル獲得はならなかったが、手に汗をにぎる接戦で、試合後はスタンディングオベーションを受けた。

 汗は、額ににじむだけだった。松平健は、優勝が決まったかのように勝利の雄たけびを上げた許■を、チラリと見ただけだった。「勝てるチャンスがあった。負けたことが悔しい」。冷静に試合を振り返った。

 第1ゲームは落としたが第2ゲーム、自分の感覚を取り戻すと鍛えたフットワークを生かす時がきた。コースを左右に打ち分けられても、走って拾い続けた。ラリーを制して流れをつかみ、5-9から逆転して11-9で取った。第3ゲームも連取。ここまで男子シングルスの試合で1ゲームも失っていなかった許■から、リードを奪った。

 第4ゲームでは、中国に先にタイムアウトを取らせた。接戦の末に12-14で落とし「もっとレシーブで工夫できていればよかった。これを取っていたら(結果は)違っていた」。その後は5-11、8-11で落とし、敗退が決まった。

 敗戦の中に、成長の証しが見えた。約2カ月間の合宿でフィジカルを鍛え、体重は3キロ増えた。ベンチに入った男子代表の倉嶋監督も「すごく努力するようになって、才能が開花した」と認めた。

 さらに精神面も成長している。この日、試合後に向かった先は、両親の元だった。4回戦後も観客席を訪れて、父清志さんと母道代さんに感謝の言葉を伝えた。清志さんは「今までは気にしない子で、そんなことはしなかった。初めてのことで、じーんときた」と明かした。心技体がそろい、急成長している。

 今大会を振り返り「90点くらい。許■に勝てる試合を逃したから、10点足りない」と自分に厳しい評価だった。来年の世界選手権団体戦は、東京大会。新星が、日本を盛り上げる。【保坂恭子】※■は日ヘンに斤