日本体操協会は20日、都道府県協会に全ての体操器具の安全を再点検するように指示したと発表した。19日に岩手県営体育館でつり輪のワイヤ下部の革製ベルト部分が切れ、東日本学生選手権のウオーミングアップ中だったロンドン五輪男子団体総合銀メダリストの加藤凌平選手(順大)が肩を痛める事故があったため。16年に国民体育大会開催を控える岩手県の達増拓也知事は、20日の定例会見で「大変申し訳なく思っている。国体に向けて、こういったことはあってはならない」とコメントした。

 日本体育施設協会の安全点検の手引によると、ワイヤの標準耐用年数は2年。日本体操協会は3年以上のつり輪については事故の原因が判明するまで使用を控えることも通達した。今回事故が起きたつり輪は、約20年使用する古い器具だったという。