猪瀬都知事が起死回生の巻き返しだ!

 20年夏季五輪開催を目指すイスタンブール、東京、マドリードの3都市が30日、国際オリンピック委員会(IOC)理事会の会場でプレゼンテーションを実施。東京はイスタンブールに続き、2番目に登場し、竹田恒和招致委員会理事長を中心に、猪瀬直樹都知事ら6人が20分間、東京の魅力を伝えた。

 失言や、今回の出発時の大遅延など、五輪招致で猪瀬都知事はトラブル続き。この日も、プレゼン後の会見で、海外の記者から失言に関する質問が出た。しかし「トルコ大使館に謝罪に行ったし、今回も真っ先にイスタンブールのブースに駆けつけた」とかわした。

 プレゼンでは、好印象を植え付けた。コミカルにジョークを交え、何度も笑いを誘った。まず、世界で最も安全な都市を強調。「財布を落としてもお金ごと戻ってくる」と話すと笑いが起きた。五輪開催準備基金として45億米ドルを「キャッシュで銀行にあるよ」と話すと、驚きの声と再び笑いを誘った。身ぶり手ぶりを交えて、全て英語で話す姿は、IOC委員や各競技団体の聴衆に好印象を与えたようで、プレゼン後、何人もの関係者が東京招致関係者に握手を求めた。

 共にプレゼンをした橋本聖子理事は「都知事の姿を見たことがある人は少ない。明るい楽しい人だとアピールしたかった」。トラブルメーカーのイメージは一転。コミカルな都知事で、東京五輪招致のプレゼンは成功に終わった。