日本レスリング協会は25日、東京・味の素ナショナルトレーニングセンターで女子代表チームの合宿を公開し、世界選手権(9月・ハンガリー)の代表メンバーを発表した。55キロ級の吉田沙保里(30=ALSOK)ら全日本選抜選手権を制した6人に加え、この日の51キロ級・代表決定試合を制した宮原優(19=東洋大)の計7選手が選ばれた。

 宮原は、入江ななみ(九州共立大)菅原ひかり(至学館大)と三つどもえの決定試合を行い、2勝した。笑顔もガッツポーズもなかった。コーチらと握手を交わしただけ。「代表になれた実感はないけど、練習を上げて金メダルをとれるような体と心を作っていきたい」と気を引き締めた。

 12年の全日本選手権決勝で敗れた菅原には6-2。そして16日に行われた全日本選抜選手権の決勝で敗れた入江との試合でも積極的に攻め、第1ピリオド(P)を4-0でリード。第2Pでも相手を返してポイントを奪い、8-0と快勝した。10年ユース五輪48キロ級で世界一に輝くなど、世界での強さは証明済み。栄女子強化委員長は「経験も豊富だし、場慣れしている。金が取れる」と評価した。

 ジュニア選手を育成するJOCエリートアカデミーの卒業生として初めて、世界選手権への切符を手にした宮原だが、既に16年リオデジャネイロ五輪も見据えている。51キロ級は五輪で実施されないため、3キロ減量して48キロ級で挑戦する予定だ。「ずっと目指してきた。リオで金メダルを取りたい」。日本レスリング界の新星が、世界へと羽ばたく。【保坂恭子】

 ◆宮原優(みやはら・ゆう)1994年(平6)4月27日、富山県生まれ。高岡ジュニア教室を経て、安部学院高卒。JOCエリートアカデミー1期生として今年3月に卒業し、東洋大に進学。10年ユース五輪46キロ級で金メダル。11年世界カデット選手権、全日本選手権優勝。世界ランキング3位。趣味はロシア語の勉強。158センチ、53・5キロ。血液型B。