<テニス:ウィンブルドン選手権>◇第9日◇3日◇ロンドン・オールイングランド・クラブ

 女子ダブルスで、青山修子(25=近藤乳業)が日本選手としては07年杉山愛以来のベスト4進出を決めた。シェパーズとのペアで、第16シードのゲルゲス、ザフラボバストリコバ組に7-6、5-7、6-4で勝ち、4大大会では日本女子10人目の4強入りとなった。

 いつもは冷静な青山が、喜びを爆発させた。最初のマッチポイントで相手のリターンが力なくネットにかかった。「すっごくうれしいです」。常に追いかける展開での2時間34分。決して諦めず、大好きな言葉の「1歩ずつ」進んだ結果が大きな勝利を生んだ。

 第1セットのタイブレークが大きかった。2-6とセットポイントを奪われたところから反撃を開始。4-6での青山の返球を、相手がネットよりラケットを出して触り、オーバーネットの反則となった。「必死で運もあった」。6ポイント連取し、大逆転で第1セットを先取した。

 最終セットは一進一退だったが、5-4とリードした青山のサーブの場面。30オールから、うなり声とともに放ったパスが抜け、そのまま勝ちきった。「緊張感があったが、思い切って行けた」。観客席で応援していた母京子さん(56)に笑顔で手を振った。

 当初、土居美咲と組んでエントリーした。しかし、本戦に入れず。シェパーズも違うペアで本戦に入れなかったため、急きょ組むことになった急造ペアだ。しかし、青山が「ミスしても怒らないし、冷静」と笑うコンビは、あれよあれよという間に4強に進出した。

 当初、ホテルは6月30日までしか予約を入れていなかった。それを4日に変更した。しかし、この日勝って準決勝は5日以降となり、また変更する。小5の時にプロになりたいと思い、夢見たテニスの聖地で、青山の快進撃が止まらない。【吉松忠弘】