全日本柔道連盟は1日、東京・文京区の講道館で常務理事会を開き、新会長ら執行部人事を協議する「新体制検討チーム」を発足させた。8月いっぱいで辞任する上村春樹会長(62)の後任は、外部から招請する方針を確認。同チームに人選を依頼した。新執行部を決めるメンバーは「全柔連関係の方で4人。ただ、人事なので公開はしない」と、宇野広報委員長。会長を外部からという方向は確認した上で「4人の方にお任せする」と、山下理事は話した。副会長の人数など執行部の体制も、チームで検討する。

 新会長候補について、宇野委員長は「自薦、他薦もあると聞いている」と話したが、藤原理事は「そう簡単に引き受けてくれる人はいないかも」と話した。上村会長らが辞任する臨時理事会は早ければ14日に行われるが、宇野委員長は「そこまでに人選できればハッピー」と、難航する可能性も示唆した。また、理事全員の辞任についても、検討を続けることになった。

 常務理事会では、不正受給が認定された日本スポーツ振興センター(JSC)からの助成金6055万円の返還方法も協議された。宇野委員長は「まず全柔連の方からお支払いする。その後どうするかは、法的な観点をしっかりした上で、早急に詰めたい」と説明した。内閣府の定めた組織再構築を報告する期限は今月末。1カ月を切って求められるのは、早急な対応だ。設置までに一連の不祥事発覚から半年近くがかかった常務理事会だが、この日の第1回に続く第2回は6日に行われる。【荻島弘一】