<東京国体:競泳>◇14日◇東京辰巳国際水泳場

 北島康介(30=日本コカ・コーラ)が来季も現役を続行する。8年ぶりに東京代表として国体に出場。成年男子100メートル平泳ぎで1分0秒51のタイムを出して優勝した。7年後に決定した東京五輪へ「自分のレースを通じてスポーツの良さを伝えられればいい」と来年以降の現役生活に意欲をみせた。

 ロンドン五輪翌年の今年は「水泳を楽しむ」ことをテーマに掲げた。世界選手権では100メートルは6位も、400メートルメドレーリレーでは銅メダルを獲得。5年ぶりに恩師の平井伯昌コーチのもとで指導を受け、19歳の萩野、山口ら若手からも刺激を受けた。

 日々の練習は地味で苦しい。「平泳ぎは難しいし、“もういいよ”と思うときもある」と年齢の壁を感じないと言えばうそになる。それでも、国内大会で表彰台に立ったり、世界選手権で海外のライバルたちに再会すると「普段では味わえない刺激がある」と水泳の魅力も再認識した。

 かつてのように簡単に金メダルを口にはできない。だが、国内では、この日のレースのように、まだ追い抜くような存在は見当たらない。東京都荒川区出身。20年東京五輪の招致決定も現役続行を後押しする。地元五輪を盛り上げるため「もっとスポーツを身近に感じてもらえるようにしたい」との使命感を持つ。22日には31歳になるが、まだまだ日本のトップとして役割は大きい。