<フィギュアスケート:ネーベルホルン杯兼ソチ冬季五輪予選>◇第2日◇27日◇ドイツ・オーベルストドルフ

 1月にコンビを結成した高橋成美(21)木原龍一組(21=ともに木下ク)が、惜しくもペアでのソチ五輪出場枠を逃した。残り4の枠を争う組の中でSPは2位と好発進したが、この日のフリーは2度の転倒など129・54点と低迷。他国に逆転を許して5位に終わった。

 残酷な結末だった。演技が終わり、取材エリアで関係者から結果を聞くと、2人は言葉を失った。高橋は「実力が発揮できなくて悔しいです…」と声を絞り出し、木原は「練習通りの動きができなかった」とうなだれた。出場枠にあと1歩届かなかった。

 ジャンプの乱れが響いた。2人で跳ぶ冒頭、男性が女性を投げる終盤のスロージャンプで高橋が転倒し減点2。前日SPに続き、その他の要素では結成7カ月とは思えない演技をみせた。

 高橋は12年世界選手権で日本代表ペアとして初メダルとなる銅メダルを獲得。その後、パートナーのカナダ国籍が五輪出場の壁となり、日本国籍選手として、男子シングルで全日本選手権出場経験も持つ木原が新パートナーになった。

 シングルにない上半身の筋肉が必要になる男子選手。筋トレで体重は3キロ増の67キロ、服のサイズもMからLに。7月のアイスショーでは両腕だったリフトも、この日は片腕で高橋を持ち上げる急成長をみせたが、現実は厳しかった。

 ソチ五輪では団体戦が新採用される。出場には全4種目中3種目が条件で、日本はあと1種目が必要。ペアを逃し、残るはアイスダンスのみ。今日28日にフリーを滑るリード組に望みをかけることになった。【阿部健吾】

 ◆ソチ五輪の出場枠

 日本は3月の世界選手権でペア、アイスダンスの枠を獲得できず、五輪予選を兼ねた今大会に懸けていた。ペアは24組中20組が決定しており、出場19組中13組で残り4枠を争った。アイスダンスは24組中19組が決定しており、23組中18組で残り5枠を争っている。なお男女シングルは世界選手権で最大枠数3を獲得している。ソチ五輪で初実施される団体戦は、最低3種目の個人での出場枠を確保している選手・ペアがいなければ参加できないため、ペア、アイスダンスのどちらかで枠をとらなければ、日本の団体戦の出場はなくなる。