今季限りでの引退を表明している浅田真央(23=中京大)が、4季ぶりにシーズン初戦からトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を跳ぶ。4日、日本、欧州、北米の3地域が団体戦形式で争うジャパンオープン(5日、さいたまスーパーアリーナ)の練習に参加。3回転半に5度挑み、3回着氷する「成功率6割」の好調さをアピールした。

 ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」を使うフリーのジャンプ構成は、「(3月の)世界選手権と同じ」。銀メダル獲得の高難度演技を維持してのシーズンインで、冒頭には3回転半を跳ぶ。初戦から挑むのは、09-10年シーズン以来4季ぶり。「フリーは初披露ですが、自分の体に染みついている」と滑り込みも十分で、練習後に手応えを感じるかを聞かれると、「はい!」と声を弾ませた。

 「最後は力強く、ダイナミック。いまの自分のそのままを出せれば」。自分のスケート人生がテーマのフリー。その見せ場に最後のステップを挙げた。初戦を前に、ジャンプにも力強さは宿っている。先月25日に23歳を迎えたばかりの跳躍で、ソチ五輪へ向かうラストシーズンを歩み出す。【阿部健吾】