ビーチバレーの日本代表が公募されることが10日、分かった。日本バレーボール協会による初の試みで、今月中に応募を受け付け、11月までに選考。選ばれた男女代表は原則、来年9月19日開幕のアジア大会(韓国・仁川)の代表になれるという“特典付き”で、広く人材発掘にあたる。女子ラグビーなど他競技でもトライアウトで代表候補を募ることはあったが、五輪での実績もある競技で代表を募るのは異例だ。

 同協会では、今季から羽牟会長直轄のビーチバレー評議会を新設。機関として独立性を持たせ、約5000万円の年間予算もインドアとは別枠にし、単独使用できるように改変した。今夏には五輪に2度出場した白鳥勝浩氏が強化委員長に就任。16年リオ五輪への強化策を模索してきた。

 現在の日本代表候補も1度白紙となり、公募はゼロの状態から選手の才能を見極めることになる。ビーチバレー選手はもとより、他競技の選手の応募も期待し、新たな才能を求める。男女で何組の代表ペアを結成するかは未定だが、14年アジア大会ではメダル獲得が目標。12月には本場ブラジルのトレセンでの長期合宿なども計画している。

 「ビーチの妖精」浅尾美和の登場で08年頃から競技の注目度は上がったが、実力は急降下。特に女子は96年アトランタ5位、00年シドニー4位と五輪で躍進したが、12年ロンドン五輪では出場を逃した。浅尾も12年末で引退し、その人気も下降している。大胆な公募制度が競技力向上の起爆剤になるか。新たな試みに注目だ。

 ◆日本代表を公募した主な競技

 女子ラグビーでは10年から実施。14年にW杯、16年リオ五輪では7人制も採用されることから人材発掘に乗り出した。体力測定、適応能力や判断力テストなどを実施。7人制代表経験を持つ、元バレーボール日立の藤崎朱里らを代表に選んだ。冬季競技ではボブスレーが有名。ソチ五輪へトライアウトを実施中で、先月には第3次選考会でブレーカー(押し役)として5人が合格。アメフト、陸上選手を含んでいる。