日本アイスホッケー連盟が分裂の危機を迎えた。10日、都内で緊急理事会を開催。先月28日の評議員会で選ばれた前強化本部長の坂井寿如氏(49)ら5人の理事選任を無効とする方針を固めた。奥住恒二会長(71)は「5人の理事候補は、役員推薦委員会を経ていない。連盟の規定違反で、弁護士もそう判断した」と話した。

 7月下旬、常務理事で強化本部長だった坂井氏が突如解任された。フェイスブックに連盟批判を投稿したなどの理由だったが、一部の理事と評議員は反発。先月の評議員会では、坂井氏の解任反対派が、坂井氏を含む評議員推薦の理事候補を提出。坂井氏が理事に選ばれる一方で、専務理事就任予定だった栄木裕氏(66)が落選するなどの波乱が起きていた。

 今後は緊急理事会と評議員会を再び開く予定。だが、坂井氏ら当選を取り消された5人の理事候補の反発は大きい。両派との溝は深く、最悪の場合、法廷闘争に持ち込まれ、新体制が宙に浮く可能性がある。来月7日にはソチ五輪前哨戦となる女子の5カ国対抗戦が控える。メダルを目指して奮闘するスマイルジャパンへの影響は避けられない。