ソチでママ友会を開きましょう-。カーリングの五輪世界最終予選(ドイツ)で悲願の五輪切符を獲得した女子日本代表(北海道銀行)は17日、成田空港着の航空機で帰国。スキップ小笠原歩(35)とサード船山弓枝(35)は母として五輪出場を決めた。小笠原は、五輪選考会を控えるママさんアスリート、フィギュアスケートの安藤美姫(26)スピードスケートの岡崎朋美(42)にエールを送った。

 母の強さを信じている。女子カーリング日本代表の小笠原と船山。2人の母が、チームを引っ張り、ソチ五輪への道を切り開いた。国内ではいまだにママさんアスリートは珍しいが、世界では当たり前。女子選手の可能性を広げるためにも、安藤と岡崎には続いてほしい。小笠原は「ソチで会いたい。頑張ってほしい。やってくれると信じています」と希望を込めた。

 岡崎とは06年トリノ五輪から交流がある。選手村で知り合って意気投合。今は年賀状やメールで励まし合う仲だ。安藤とは交流こそないが、同じトリノ五輪で「『ミキティだ』と思って写真を撮ってもらった。ミーハーなんで」。家事と育児の苦労は共通する。「話は尽きないと思うので待っています」とソチでのママ友会開催を願った。

 安藤は21日からの全日本選手権(さいたまスーパーアリーナ)、岡崎は27日から五輪代表選考会(長野・エムウエーブ)で最後のチャンスに懸ける。ともに狭き門への挑戦。カーリングも前評判は決して高くなかっただけに「母親だからじゃなくて、今まで積み上げてきたものがある。絶対にここぞで力を発揮できるはず」と自らと重ね合わせるように言った。

 五輪最終予選。中国に1次リーグとプレーオフで連敗した時は落ち込んだ。悔し涙も流したが、そんなときは4歳の長男から出発前にもらったウルトラマンシリーズの怪獣人形「ガッツ星人」を見て「頑張らなきゃ」と思った。「五輪切符を取って、息子に会う」と強い気持ちで戦ってきた。

 今日18日、小笠原は4歳の息子、船山は4歳の娘と再会する。小笠原が「半月ぶりに会うのでギュッと抱きしめてあげたい」と言えば、船山は「応援してくれて一緒に戦ってくれた」と感謝した。五輪の目標は過去最高の5位以上。ソチでも「母は強し」を証明する。【田口潤】