<カーリング:日本選手権>◇最終日◇9日◇長野・軽井沢アイスパーク

 ソチ五輪5位の北海道銀行が女子決勝で中部電力に3-6で敗れた。来季の新戦力として札幌国際大のスキップ吉村紗也香(22)をリストアップ。主にリードを務めた苫米地美智子(34)が、今季でチームを離れることから吉村の将来性を見据え白羽の矢を立てた。中部電力は4連覇を達成した。男子はSC軽井沢クが2季連続5度目の優勝を果たした。

 初優勝はならなかった。中部電力との決勝は3-4で迎えた第9エンドで2点を奪われた。第10エンド、相手スキップ藤沢の2投目が終わった時点でギブアップ。2月25日に帰国し、1日に軽井沢入りするハードな日程と疲労の中で戦い抜き、今季最終戦が終了。スキップ小笠原は「自分のミスで負けた」と責任を背負い、「みんな良くやったと思う。ゆっくり休みたい」とチームメートをねぎらった。

 日本過去最高の5位に入ったソチ五輪を区切りとし、苫米地が今大会を最後にチームを離れて故郷の岩手に戻る。18年平昌(ピョンチャン)五輪でメダル獲得を狙うためには、さらなる選手の補強は必要と考えて新たな道を模索する中、吉村の名前が浮上している。

 吉村は五輪経験こそないものの、10年バンクーバー五輪の代表決定戦に常呂高の一員として出場し、高校生離れした冷静な判断とルックスで一躍注目された。札幌国際大ではパシフィック・ジュニア選手権を3連覇し、13年世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得するなど着実に力をつけ、関係者からの評価も高い。

 大学最後の大会で4位に終わった吉村はこの日、今後の進路について「何も決まっていない」と話すにとどめたものの、競技続行を熱望している。ジュニアレベルとはいえ、国際大会に多く出場し、経験豊富な吉村はチーム構想に合致する。さらに小笠原とは同じ北海道・北見市(旧常呂町)出身で、チームにとけ込みやすいというメリットもある。4年後に向けたチーム再編へ、北海道銀行は吉村の意向を考慮しながら交渉を進めていく。

 ◆吉村紗也香(よしむら・さやか)1992年(平4)1月30日、北海道・北見市(旧常呂町)生まれ。北海道・常呂小4年だった02年に友人同士でチーム「ウインズ」を結成し、競技を始める。北海道・常呂高から10年4月に札幌国際大に進学。常呂高時代の09年に全国高校選手権を初制覇。同2月の日本選手権で2位に入った。162センチ。

 ◆カーリングのチーム形態

 クラブチームを、企業などスポンサーが支援する形が一般的だ。本橋率いるLS北見は、NTTラーニングシステムズ(本社・東京都港区)などがスポンサー。小笠原の北海道銀行は、正式には「北海道銀行フォルティウス」というチーム名で、同行の社員は吉田のみ。一方で中部電力は、社員のクラブ活動という位置付けで、選手はすべて同電力の社員となっている。