<柔道:第36回全国高校選手権>◇第1日◇個人戦◇20日◇東京・日本武道館◇日刊スポーツ新聞社後援

 男子73キロ級では92年バルセロナ五輪男子71キロ級金メダルの古賀稔彦(46=環太平洋大柔道部総監督)の長男颯人(16=愛知・大成1年)が準優勝した。

 あと1歩で頂点を逃した。73キロ級決勝で、古賀は阿部に逆転の小外刈りを食らった。序盤に小外刈りで有効を奪うなど、試合を優位に進めていただけに悔しさは募る。数秒間は畳から立ち上がれず、試合後もしばらく涙が止まらなかった。

 初戦から父稔彦が試合場のそばで見守る。組み手など身ぶり手ぶりのアドバイスを受け、順調に勝ち上がったが、決勝で一瞬のすきをつかれた。「父のアドバイスは分かりやすかったが、最後は自分の力のなさが出た」と自らを責めた。闘志を前面に出した父に比べ、息子にはクールな雰囲気が漂う。父稔彦は「ぼくのときは、もっとけんか腰だった。“ウリャー”とか声を出して、何が何でも勝つとね」と、勝利への貪欲さを求めた。

 夢は小川同様に20年東京五輪金メダル。「そのためにもまずは国内で勝ち上がっていかないと」。今日21日は気持ちを切り替えて団体戦Vを目指す。