<柔道:全日本選抜体重別選手権>◇第1日◇5日◇福岡国際センター

 女子48キロ級決勝で近藤亜美(18=三井住友海上)が同所属の山岸絵美(27)に優勢勝ちし、初出場初優勝を飾った。3月に高校を卒業したばかりの新社会人。入社動機になった憧れの先輩を破り、世界選手権(8月、ロシア・チェリャビンスク)代表を確実にした。発表は今日6日に行われる。

 先輩より前に、名前が呼ばれた。近藤は表彰式のメダルを先に受け取りながら、「優勝したんだなあ」と実感した。山岸に憧れたのは高2の時。多彩な技で一本を取る姿に、「近くで技を盗みたい」と同じ所属を熱望し、この4月に入社。この1カ月、とにかく「バタバタ投げられた」という。両親に「投げられすぎてどっちが天井か分からん」と電話するほど。だから、決勝では「負けて当然」と前へ。開始23秒、払い腰で有効。そこからは前に出る相手に苦戦しながら、なんとか逃げ切った。

 3月の代表合宿では他選手が課題が3個ほどに対して10個以上あったが、「ありがたい。発見ばかり」と歓迎する。「名刺はまだない」と笑う新社会人の春。さらなる成長への最高のスタートを切った。

 ◆近藤亜美(こんどう・あみ)1995年(平7)5月9日、愛知県生まれ。名古屋市内の六郷道場で5歳から競技を始める。大成中、大成高で全国優勝。シニア大会2戦目で初の国際大会だった昨年11月のグランドスラム東京で優勝。得意技は内股。155センチ、48キロ。