柔道の全日本選手権が29日、日本武道館で行われた。

 今大会が世界選手権(8月、ロシア・チェリャビンスク)代表の最終選考会となった重量級は成績不振の100キロ級が五輪、世界選手権では史上初の派遣見送り。100キロ超級に上川と七戸龍(25)が選ばれるなど男子代表9人が出そろった。

 日本柔道界が、苦渋の決断を下した。過去五輪、世界選手権を通じて全階級に派遣をしてきた全日本柔道連盟が、世界選手権の男子100キロ級代表選出を見送ることを決めた。1カ国9人の出場枠を使い、代わりに66キロ級と73キロ級の選手を追加発表。00年シドニー五輪100キロ級金メダリストで全日本の井上康生監督(35)は「寂しいですね。強化のために(100キロ級は)見送ります」と話した。

 選抜体重別が行われた今月上旬、井上監督は「100キロ級は選ばないかも」と話した。優勝した熊代への追試が今大会だったが、初戦で81キロ級の永瀬に完敗。「情けない。これでは選んでもらえない」という熊代の言葉通りになった。

 もちろん、100キロ級を捨てるわけではない。「16年五輪で金メダルの目標は変わらない」と井上監督は話す。強化委員会では、大学生と卒業後数年の若手を積極的に海外に送り経験を積ませる予定。さらに選手を毎週招集し、出げいこなどで競わせるプランも明かした。選手へのカンフル剤になることも期待して同監督は「金メダルへの1年のブランク」と話した。