<卓球:JA全農世界選手権団体戦>◇第4日◇1日◇東京・代々木第1体育館◇男女1次リーグ

 これが日本のエースだ。水谷隼(24=DIOジャパン)が最終試合で圧勝し、日本の1位通過をたぐり寄せた。エースが、5対戦すべてに出場し、8戦全勝の大車輪。この日も「自分が負けたら1位通過できない。その責任がある」と、絶不調の岸川を補い、2勝を挙げる貫禄だ。

 前日のポルトガル戦で、右の臀部(でんぶ)を痛めた。この日の昼まで出るかでないか悩んだが、「みんな調子がいまひとつ。僕が出るのがベスト」と、おとこ気あふれる志願出場で、チームを奮い立たせた。臀部の痛みは「まだ少しある」。しかし、強い痛み止めをのみ、体を酷使しながらもエースの役目を果たした。

 大会前に、「予選リーグは全勝で行く」と公言した。その言葉通り有言実行。それでも「内容はまったく満足していない」。今日2日から始まる決勝トーナメントに向け「僕の中では、今から世界卓球が始まる」と頼もしかった。