<女子7人制ラグビー:太陽生命セブンズシリーズ横浜大会>◇最終日◇20日◇横浜・YC&ACグラウンド

 京大卒の頭脳と、出版社勤務の文学好きという異色の経歴を持つ竹内亜弥主将(27)率いるアルカスクイーン熊谷が、国内初のシリーズ大会を圧勝した。決勝でラガールセブンに8トライ3Gの猛攻を浴びせ、46-5の快勝。5月の龍ケ崎大会、6月の札幌大会に続き3戦全勝とした。7人制の男女ラグビーは、16年リオデジャネイロ五輪から新競技として採用される。

 登録選手12人中、日本代表7人という熊谷が、記念すべき国内初のシリーズを完全制覇だ。4月に結成してわずか3カ月半ながら、竹内主将は「世界一を目指して結成したクラブ。全勝で終えられて本当にうれしい」と胸を張った。

 竹内主将は、愛知の滝中・高、そして京大まではバレーボール部。大学4年の時、応援に行ったアメフットに魅了された。「コンタクトプレーがすごかった」。ただ違いも分からず、卒業後にネットで探し出したのはラグビーだった。

 昔から「読書が好きだった」ことで、大手出版社の新潮社に入社した。営業職で書店を駆け回り、休暇と欠勤をやりくりして練習時間をつくりだした。そして6年目の今年4月、「どっちつかずでは両方ともダメになる」と休職を申し出た。すると会社も快く送り出してくれた。「リオ五輪までの2年間です」。

 3月の伝統ある香港セブンズには、日本代表選抜の主将として出場して4位に導いた。今大会は、女子7人制ラグビー強化のために、日本で初めて創設されたシリーズ大会で全3戦が行われた。圧倒的な強さを見せつけて「五輪で金メダルを取るのが夢」。9月には、来季のワールドシリーズに常時出場できるコアチーム入りがかかる昇格大会が控える。【吉松忠弘】

 ◆竹内亜弥(たけうち・あや)1986年(昭61)8月5日、岐阜市生まれ。京大文学部卒業後、新潮社入社と同時にラグビーを始める。ワセダクラブから世田谷レディースに移籍し、13年に日本代表初選出。4月にアルカスクイーン熊谷創部とともに移籍し主将。ポジションは7人制ではプロップ。167センチ、68キロ。