叱られて、頂点へ-。柔道の男子60キロ級で世界王者の高藤直寿(21=東海大)が29日、4歳年上の女性と6月30日に結婚したことを発表した。2連覇を狙う世界選手権(8月、ロシア)に向けた都内での強化合宿の練習前に会見し、「家族を守ることを新しい目標にして、その上で世界王者を目指したい」と誓った。11月には第1子が誕生予定で、「父親としても、しっかりしたい」と続けた。

 相手は柔道の元強化指定選手で、現在は引退している。神奈川県内で同居中の新婚生活に期待するのは「ちゃんと叱って、怒ってくれる」こと。「自分が結構だらしない。どんどんアホになっている。トイレのドアを閉めないとか…」と私生活面に危機感を抱いているという。やるときはやるタイプだが、自ら認めるお調子者。畳の外での貴重な「叱り役」が愛妻の仕事になりそうだ。

 この日は、東海大卒業後の16年春から実業団のパーク24に進む意向も明かした。92年バルセロナ五輪金メダルの吉田秀彦氏が監督を務める強豪で、2年後の五輪は迎える。2つの吉報を追い風に、目指すのは金メダルただ1つ。まずは来月、守るものができた21歳がしっかりと王座を守る。【阿部健吾】