<バドミントン:世界選手権>◇第5日◇29日◇コペンハーゲン

 女子シングルス準々決勝で第16シードの三谷美菜津(22=NTT東日本)が第5シードの成池鉉(韓国)を2-1で破り、4強入りした。3位決定戦が行われないため、この種目の日本選手では1977年の第1回大会3位の湯木博江以来、37年ぶりのメダル獲得となった。

 三谷は自慢のフットワークを生かし、粘り強く拾って攻める真骨頂で快挙を達成した。第1ゲームは相手の長身から繰り出す強打と角度のある巧打に苦しみ先取されたが、第2ゲームからは「長いラリーに持ち込めば有利になる」と流れを変えた。緩急自在のショットで揺さぶり、苦境を打開。「体力勝負では負けられない気持ちがあった」。1時間を超える我慢比べの一戦を逆転で制した。

 日本代表の朴柱奉監督は「闘争心で上回り、後半はミスが少なかった。大事な場面でネットプレーも良かった」とたたえた。161センチと上背がないが「動きのスピードは世界一流」(朴監督)と評される。3回戦で昨年の世界選手権女王、ラチャノック・インタノン(タイ)から金星を挙げた実力を証明してみせた。

 昨年の全日本総合選手権の女王。苦しんだ右膝痛も癒えて、体格やパワーで上回る外国人選手にも「足を使って勝てる自信がついた」と言う。37年ぶりのメダルには「うれしいけど、実感がない」とほほ笑んだ。

 ◆三谷美菜津(みたに・みなつ)1991年(平3)9月4日生まれ、石川県出身。女子シングルスで金沢向陽高時代の09年インターハイ女王。12年フランス・オープンでは五輪、世界選手権に次ぐ格付けのスーパーシリーズのシングルスで日本勢初優勝。161センチ、54キロ。