仁川アジア大会でMVPに輝いた競泳男子の萩野公介(20=東洋大)が英国に短期留学する。13日、都内で行われた「スポーツ祭り2014」で小学生たちへの水泳教室に参加。指導後、12月にも約2週間、英国でトップ選手と水泳の合宿を張る考えを明かした。

 渡英の目的は、水泳の技術アップはもちろんだが、アスリートとして視野を広げる狙いもある。特に英語力。もともと語学は好きで、現在も東洋大英語コミュニケーション学科に所属する。アジア大会でもシンガポールの新聞記者に英語で返答する場面もあったが、さらに「自信と語彙(ごい)力をつけたい」と目標を口にする。

 理想は4歳上のテニスの錦織圭。13歳から米国留学しただけに、試合後の会見では通訳をつけずに英語でしっかりと答える。従来の日本人の枠にとらわれず、限界に挑む姿も共感しているだけに萩野は「尊敬しています」。英国には単身で行く。だれにも頼らず1人で過ごすことで、英語力を磨く。英語で劣等感を持たず、ライバルとコミュニケーションを図ることは、五輪金メダルを取る上でも重要。アスリートとしてひと回り成長するための英国留学となりそうだ。【田口潤】