バスケットボール男子のナショナルリーグ(NBL)の和歌山で、2013~14年シーズン準優勝に対する選手への出来高払い報酬総額約800万円が支払われていないことが22日、明らかになった。チーム広報は「支払いの準備をしているが資金がなく、めどは立っていない」と話した。

 和歌山によると、大半の選手は出来高払い契約で、通常の給料は支払われていたが、出来高払い報酬は未払いだった。和歌山は昨季休部したパナソニックを引き継ぐ形で発足し、参戦1シーズン目で準優勝した。しかし、経営面では苦戦し、昨季終了後には、選手を大量に解雇。6月には運営会社も変わり、新体制で今季を迎えていた。

 和歌山では選手と経営サイドが話し合っているものの、現在も未払いが続く。シーズン中だが、チームの存続を含めて予断は許さない。NBLは18日に、運営会社の経営状況が悪化したつくばをリーグの管理下で運営すると発表した。立て続けに起きるチームの経営危機に、今後のリーグ運営にも暗雲が漂う。

 所属チームの経営危機とともに、プロのTKbjリーグとの統一問題も重大局面を迎えている。国際連盟(FIBA)からは今月末の回答期限を迫られているが、具体的な進展はない。日本協会は今日23日に臨時理事会を開くが、FIBAから国際試合出場停止などの厳罰は必至。日本バスケットボール界の危機が続く。

 ◆日本バスケットボール協会の資格停止問題

 FIBAのバウマン事務総長は、日本のトップリーグが日本協会公認のNBLとプロのTKbjリーグの2つに分かれていることを長年問題視。08年には「1国1リーグが望ましい」と指摘。昨年12月に来日した際には「このままでは東京五輪開催国として出場させるか検討しなければならない」と警告した。今年4月にも来日すると、今月末に回答期限を設け、それまでに一元化しなければ、国際大会に出場できない資格停止処分を含めた罰則を科す考えを示した。日本協会は2年後の統一を目指し、チーム名称から企業名を外す骨子案をまとめたが、実業団リーグの流れを組むNBLの企業チームが反発。TKbjリーグとの話し合いは平行線が続く。