ベスト4でファイナルをつかめ!

 男子テニスで、アジア男子初のツアー最終戦(11月9日開幕)出場を狙う世界7位の錦織圭(24=日清食品)が、最後の大会パリマスターズ(27日開幕)に挑む。8人が出場できる争いで、現在6位。すでに出場権を得た5人のうち、同3位のナダルが欠場を表明しており、残る切符は4枚。錦織は4強進出で、自力での初出場が決定する。

 最後の決戦だ。錦織は、痛めていた右臀部(でんぶ)を回復させるため、大事を取って先週のバレンシアオープンを欠場。ブログにも「しっかりと練習を積んでトレーニングもしました」と記し、万全の状態でパリに乗り込んだ。開幕前の26日には、現地での練習で軽快な動きを見せ、いよいよ臨戦態勢に入った。

 4強入りなら、無条件で最終戦の出場が決まる。合計得点は4625点。これを超える選手は、4強でのマリー、決勝進出のベルディハ、優勝のフェレールとラオニッチの4人だけだ。しかし、錦織はフェレールと準々決勝で当たる組み合わせ。錦織4強で、自動的にフェレールは優勝できないため出場が確定する。

 最悪、初戦敗退の場合、10点が加算され合計4275点。マリーの錦織より上位が確定、下位からは錦織を抜ける対象選手は4人となり、落選もあり得る。しかし、パリ大会の組み合わせや実力を考えると、優位に立っていることは間違いない。

 さすがの錦織も、世界王者決定戦出場を目前にして、緊張感が漂う。ブログでは「(この位置は)落ち着かなく、毎日がそわそわしております」と、正直な気持ちを記した。しかし今年は、バルセロナの優勝、全米準優勝と、休養明けの錦織は異常に強い。

 1つでも勝利を重ねれば、ライバルたちが錦織を抜けるハードルは高くなる。「少しでも近づけるように頑張ってみます」。新たな歴史は目の前だ。初戦は、17位のロブレドと54位のポシュピシルの勝者と対戦する。

 ◆ツアー最終戦

 正式名称ATPワールドツアー・ファイナル。11月9日からロンドンのO2アリーナで行われる。出場権を争うレースは、年頭は全選手が0点でスタート。成績上位18大会の合計点で争い、8人だけが出場できる。まず最終順位上位7人が出場権を得る。残り1枠は、8位から20位までにいる4大大会優勝者に割り当てられる。その条件に当てはまらない場合は、8番目の選手が出場権を得る。試合方式は、8人を4人ずつ2組に分けた総当たり戦。各組上位2人が準決勝に進み、トーナメント方式で優勝者を決める。賞金総額は650万ドル(約6億8300万円)。無敗で優勝すれば207万5000ドル(約2億1800万円)が手に入る。