NBAのマーベリックスと契約した日本代表ガードの富樫勇樹(21)が29日、日本バスケットボール界の早期正常化を訴えた。NBAとともに、日本代表として五輪に出場することは、子供のころからの夢。その夢に挑戦する権利すらも、今奪われようとしている。

 富樫

 五輪予選に出ても五輪に出場できるかどうかもわからないのに、その予選の舞台すら与えられないのは…。

 男子は76年モントリオール大会を最後に、五輪からは遠ざかる。最近は日本協会のゴタゴタが続くが、富樫もメンバーに入った先月の仁川アジア大会では20年ぶりに銅メダルを獲得。今月はU-18の女子がアジア選手権で準優勝した。

 富樫

 選手は努力して、良い結果を出しつつある。五輪予選がなくなって、国内リーグだけとなれば、強化はできなくなる。

 バスケットボールの競技登録者数は、野球、サッカーに次ぐ約60万人。小中高の部活動も盛んだが、国内トップレベルになると、野球、サッカーの人気にははるかに及ばない。

 富樫

 代表が強くなってこそ、スポーツニュースにも取り上げられるし、人気も高まる。日本のバスケを変えるには、日本代表を強くする以外はない。だから予選すら出られないのはつらい。トップリーグが統合しないと予選に出られないのなら、統合すると決めるしかないと思う。

 来月2日、富樫はNBAの下部リーグに出場するため、渡米する。五輪という、もう1つの夢の心配を心に抱えたまま。【田口潤】