テニス界の革命児で、4大大会8度の優勝を誇るアンドレ・アガシ氏(44=米国)が、錦織の未来に太鼓判だ!

 東日本大震災復興チャリティーテニスが22日、有明コロシアムで行われ、世界5位の錦織圭(24=日清食品)と、元世界1位、アガシ氏の夢の対決が実現した。“師匠”松岡修造氏(47)も大活躍。錦織のチャン・コーチも登場し、完売した会場を埋め尽くした約1万人のファンは、最高の1日を過ごした。

 黄色いシッポに、よちよち歩き。コートに現れたのは“ひよこ・ケイ”だった。所属契約を結ぶ日清食品のキャラクター「ひよこちゃん」。真っ黄色の着ぐるみをかぶった錦織が登場すると、観客は大爆笑。アガシ氏がシッポを引っ張り、松岡師匠は「テニスをなめてるのか」とあおる。会場は笑いの渦に包まれた。

 11年11月に、錦織自身が提案して始まったチャリティー大会も、今年で4回目。チャン氏、マッケンロー氏と大物ゲストが恒例で、今回は、現役時代、長髪とジーンズの短パンでデビューし、“革命児”と呼ばれたアガシ氏が登場だ。「テニスを通じて、何かの手伝いをしたいと参加を決めた」。

 錦織とのシングルスでは、往年のハードヒットを随所に披露。錦織が1歩も動けないショットが何本もあり、会場がどよめいた。錦織も「あんなに球が鋭いとは。学ぶところが多い」と驚いた。アガシ氏が、錦織と手を合わせるのは今回が初めて。しかし、「ずっと前から注目していた」と言う。

 錦織の最大の武器は、時速250キロ近い爆弾サーブを、軽々と返球する高速リターン。現役時代のアガシ氏と同じで、フェデラーは以前、錦織を「アガシに匹敵するリターンの持ち主」と絶賛した。同じスタイルのアガシ氏も「ケイは4大大会優勝も世界1位にもなれると思う」と断言した。

 アガシ氏は92年ウィンブルドンで4大大会初優勝。4大大会に8度優勝し、95年には世界1位に輝いた。テニスのレジェンドからお墨付きを得た錦織も、「スタイルが似てきた。勉強になった」と同じ道を必ず歩む。【吉松忠弘】