<フィギュアスケート:GPシリーズ第6戦・NHK杯>◇第2日◇29日◇大阪・なみはやドーム◇女子フリー

 宮原知子(16=関大高)は3位、村上佳菜子(20=中京大)は4位。日本女子は、14季ぶりにGPファイナル(12月11日開幕、スペイン・バルセロナ)出場を逃した。

 日本女子の伝統が、途切れた。上位6人に許されたバルセロナ切符は誰もつかめなかった。村上佳は、両手で頭を抱えた。合計173・09点の4位に沈んで「あ、終わったな」。日本女子のエース格はGPファイナルを逃して目を赤くした。「ファイナルに出たい、という気持ちでやってダメだった。すごく悔しい」。

 痛恨のミスだった。前半の3回転ループが抜けて2回転となった。だが後半にも3回転サルコー-2回転ループ-2回転ループを跳んだ。フリーで同じジャンプは2回まで。3回目の2回転ループは取り消しとなり、それに含んだ3連続ジャンプがすべて0点となった。「ループがダブルになることはなくて…。いつも通りにやってしまった。(演技後)モニターを見て気づいた」。大会前に演技内容を変更したこともあだになった。

 ショートプログラム(SP)4位の宮原は、冒頭の3回転ルッツが回転不足となった。「スピードを落とし(氷に)おりることばかり考えてしまった」。気持ちを立て直して3位に入ったが、表現面に課題が残っている。「ジャンプのことばかりだったので、もっと気持ちを入れてできるようになりたい」と言った。

 日本女子は、01~02年シーズンの恩田美栄から昨季まで13季連続でGPファイナルに出場してきた。2位ロシア(8季連続)を大きく引き離す最長記録だったが、その伝統もストップ。フィギュア界をけん引した安藤美姫さん、鈴木明子さんが昨季限りで引退して、浅田も休養している。転換期を迎えている日本女子に、GPファイナル出場者なしというショッキングな結末が待っていた。【益田一弘】