<NBL:つくば50-79千葉>◇6日◇茨城・サンピア日立スポーツセンター

 つくばは千葉と対戦し、敗れた。1日に15人中11人が離脱。シーズン中のチーム消滅危機に見舞われた。4日のNBL総会で、チーム登録に必要な10人を集めた新運営会社が承認を受けた。事実上のぶっつけ本番で何とか試合を成立させた。試合は後半に追い上げたものの大敗で、開幕から17連敗となった。

 連係不足は隠せない。つくばの選手は1週間で3分の2が入れ替わった。前日5日、新チームの10人がそろう。監督は不在。初めて全選手がコートに集まったのは千葉戦の直前練習だった。開始4分で0-19。第3ピリオド(P)を終えて31-66のダブルスコア。50-79で開幕から17連敗を喫した。

 2日前まで、チーム存続が危ぶまれた。15人中11人が、経営危機に陥った運営会社を引き継いだ新法人と方針をめぐり決裂。1日に自由契約となりチームを離脱した。新法人の山谷社長は登録に必要な10人を満たすため、引退状態だった選手、元bj、大学生らを集め、ギリギリ10人とした。

 センターの梅津は試合後のあいさつで号泣した。「普段いた選手がいない。プラスの感情にはなれない」と複雑な心情を吐露。1日に1度チームを離脱しながら復帰したセンターの中村は「応援してくれるファンがいる。引退も考えたが、苦しいけど乗り越えようと思った」と目を赤らめた。

 チームを取り巻く混乱は続く。離脱した選手のうち9人は3日「生活が困難な金額でカットありきの交渉」と山谷社長を非難。同社長は「生活水準は人それぞれで、個々の価値判断」と話すが、強引な手法に対し、責任を問う声はある。

 視察に訪れた日本協会会長代行でNBLの丸尾理事長は「(つくばの)予備軍があって大変」と他にも経営危機のチームが複数あることを認めた。bjリーグとの統一を実現しない限り、来夏のリオデジャネイロ五輪予選は出られない。つくばは試合にこぎ着けたが、根本的な問題解決は容易ではない。【田口潤】

 ◆つくばの混乱

 10月に運営会社だったいばらきスポーツアカデミーの経営が悪化。チームは新運営会社が決定するまでNBLの管理下に置かれた。その後、前NBL専務理事の山谷拓志氏が新会社「つくばスポーツエンターテインメント」を設立。だが、選手との契約交渉が難航し、元日本代表の岡田優介選手会長ら11人が、1日に自由契約になった。3日には、そのうちの9人が契約交渉の内情を明かし、山谷社長を非難。新チームは4日のNBL総会で認可された。