8日に国際オリンピック委員会(IOC)が五輪開催都市に実施種目の提案権を認め、東京五輪での空手にも採用の道が開けた。

 IOCの決定を受けた全日本空手道連盟(JKF)は9日、都内で会見し、東京五輪での実施に自信を見せた。会見では世界空手道連盟(WKF)の奈蔵稔久事務総長が空手がいかに五輪競技としてふさわしいかを力説。男女組手を体重無差別で行い、種目数を2、参加選手を男女各32人に抑えることなど実施計画を説明。武道の「聖地」でもある日本武道館を会場とし、柔道競技終了後の2日間で開催できるとした。

 力強い後ろ盾もある。国会議員による空手道推進議員連盟が東京五輪での実施を強力にサポート。先月末には東京都議会が野球・ソフトボールとともに空手の支援を決めた。「これまでJOC、IOCとの関係が弱かったのも反省点。積極的に働きかけ、いい関係ができている」と奈蔵事務総長は話した。

 会見にはアジア大会代表の染谷香予(23=テアトルアカデミー)と植草歩(22=帝京大)も出席した。12年世界選手権女子68キロ級優勝の染谷は「空手の素晴らしさを世界に知ってほしい」とアピール。13年ワールドゲームズ女子68キロ以上級金メダルの植草は、前夜のIOCの決定を「空手決定」と勘違いして一緒に食事をしていた空手仲間に「五輪に出場するから、応援に来てね」と話して乾杯までしたエピソードを明かし、「テレビで見た舞台で戦えれば、うれしい」と話した。【荻島弘一】